長崎腎病院 Nagasaki Kidney Hospital

在宅血液透析

はじめに

私の腎臓は幸いにも正常に働いていますが、いつ何時機能不全に陥るか分かりません。その時に向けて常日頃から心の準備をしています。もし自分が腎不全になったら、と想定したときに…
現在の選択枝、①腎移植 ②血液透析 ③腹膜透析のうち、腎移植が最善の治療であることは間違いないのですが、残念ながら日本では腎提供者の不足により平均の移植待機時間は15年となっています。それならば、私は迷わず血液透析の中の『在宅血液透析』を選択します。現在、腎移植に次ぐ優れた治療だからです。

在宅血液透析を選ぶのは、私自身が医者であるから自己穿刺が簡単、ということでは全くありません。「自分を傷つけることへの抵抗心」は動物の本能ですが、それを克服することによって得られる治療効果と生活の自由度は計り知れません。

現在、当院で在宅血液透析を受けている方が24名・教育中の方が3名おられ、私たちは大きなやり甲斐を頂いています。より多くの方に在宅血液透析を選んでもらえるよう願ってやみません。

理事長 舩越 哲 ・医学博士
・日本内科学会認定医
・日本透析医学会専門医・指導医
・日本医師会認定産業医

在宅血液透析とは?

ご自身の生活スタイルに合わせてご自宅で血液透析を行う治療法です。
介助者の力を借りながら御自身で透析の準備から針刺し、透析中の管理、片付けまで行います。

在宅血液透析のメリット

  • 自分の時間が増え、ライフスタイルに合わせた透析治療ができます。
  • 透析不足による合併症が減ります。
  • 食事、飲水制限が緩やかになります。
  • 災害時に自宅と施設の両方で透析の場所が確保できます。

適応基準

  • 本人が希望し、介助者の同意があること
  • 在宅血液透析に影響するような合併症がないこと
  • 自己管理ができること
  • 透析装置、水処理装置の設置場所、材料の保管場所が確保できること
  • 自分で針が刺せること(家族に医師、看護師、臨床工学技士がいる場合はその方が穿刺を行うことができます)

Q&A

安全確保のため、一人で行うことは出来ません。介助者が必要です。
  介助者に一緒に勉強して頂き、知識や技術を習得して頂きます。
  透析中は家の中にいて連絡を取ることができれば、家事などは自由に行えます。

訓練スケジュールによりますが、2~6ヶ月間の研修期間が必要です。

専用の部屋は必要ありません。透析装置と水処理装置の設置に約畳3畳、透析材料の保管場所に約畳1畳程のスペースが必要となります。事前に臨床工学技士が下見訪問をさせて頂き、レイアウトや給排水工事などのアドバイスを行います。

治療スケジュールにもよりますが、水道代、電気代がそれぞれ 5000〜10000円程負担が増えます。水道、電気設備など自宅の改修工事が必要となりますが、機械は病院から貸し出しますのでお金はかかりません。

医師を患者さんと相談して決定します。週4~5回、1回あたり3~4時間行っているケースが多いです。日曜・祝日も透析可能です。

月に2回来院していただき病院で透析を行って頂きます。
  その際に医師の診察、定期的な検査や処方箋のお渡しを行います。

24時間いつでも当院へご連絡ください。

実際にHHDをされている方の声

HHD導入したことで元気になった

家庭で過ごせる時間が増えました

好きなものが食べられるようになりました

内服薬が減りました

仕事に費やせる時間が増えました

お問い合わせ

在宅血液透析に関して詳しく知りたい方、ご希望される方は 「在宅血液透析担当者」までお問い合わせください

代表 TEL.095-824-1101 浄化センター TEL.095-824-7945 長崎腎クリニック TEL.095-813-2777 大村腎クリニック TEL.0957-54-1113

もっと在宅血液透析を知りたい方へ

当院ではより多くの方に在宅血液透析を知っていただくために様々な取り組みを行なっております。

在宅血液透析パンフレット

在宅血液透析の概要や実際の様子を詳しく説明

ながじんマガジン

在宅血液透析担当スタッフによるコラムを連載

患者情報誌

在宅血液透析患者さんの実際の声を掲載

地域連携講演会

在宅血液透析に関する内容の地域連携講演会を開催